増田 隆宏(H6,1T)

 私が卒団して,もう半年が過ぎてしまいました。月日が流れるのは,はやいものです。私の大学の四年間は,一年の新歓期に無理矢理現在の練習場であるサークル会館に連れ込まれて以来,合唱とは縁の切れない生活を送っていました。4回の定演をはじめ大阪,東京,札幌でのジョイントコンサートや約三十年ぶりに出場したコンクールなど楽しいことがいっぱいありました。反面,全くの素人から入団した為に,音がとれず,リズムもちゃらんぽらんだったので当時のパートリーダーに連日居残り練習をさせられ,何度も何度もやめようとも思いました。今思うと,楽しかった事やつらかった事のどれもみんな良い思い出です。

 歌というものは不思議なもので,時には人を心から喜ばせ,また時には人を心の奥まで悲しませるものであります。これを3部なり4部なりで構成する合唱というものは,これらの複雑かつ様々に交錯する人間の感情を如実に表すことの出来るこの世で唯一のものであると思います。このような歌をうたう合唱団で四年間過ごせた事は私にとって誇りであり今後の人生に非常におおきな影響を与えてくれるものであると考えます。

 歌をうたう喜び……一生忘れないです!本来ならば,ずっと学生のままでうたい続けたかったのですが現実は現実,卒団してしまった以上は北大合唱団ではもう唱うことができません。しかし本日今まさに催されるOB演奏会にご出演される方の中にはこのようにこれからもずっと唱い続けたいと思っておられる方が,沢山いらっしゃると思います。

 今宵は,会場の皆様もステージでうたわれる方々と一緒になって皆で今世紀最大の熱気溢れる演奏会にしようではありませんか(会場のみなさん火傷には十分お気をつけ下さい)。

(第5回OB演奏会プログラムより転載)

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